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フェノロサの真説(3)-文人画攻撃

蕪村
美術新説に続き、フェノロサは文人画攻撃をしている。
彼は、文人画は「画術の妙想」ではなく「文学の妙想」に過ぎず、文人画を本当の絵だというのは絵画を音楽だというのと同じだと批判、さらに池大雅や与謝蕪村の絵はそばかうどんをぶちまけたようなものだと酷評。
彼にとって「真誠ノ画術」とは具体的には狩野派に代表される古典絵画であり、それが油絵と文人画の間に挟まって粉々に砕かれているのが現状だと慨嘆したのである。
そして最後に、美術振興をはかるために一般国民の美術教育の必要性を説き、それにはまず美術展覧会を開かなければならないと主張したのであった。
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tag : 文人画攻撃

フェノロサの真説(2)-登場と美術真説

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ボストンからアーネスト・フェノロサが日本に来た。アメリカに帰る明治23年まで、途中で1度だけアメリカに寄った以外は日本にあって日本美術の研究に没頭する傍ら、日本の美術教育についても優れた見識と指導力を発揮した。日本美術の方向性は、彼によって決定づけられたと言っても過言ではない。
彼は、狩野派の画家に接していて、狩野派を中心とする伝統絵画の様式研究を進め、狩野永探という雅号を貰う。狩野派こそ中国と日本の伝統的な美意識の結実したものという確信を彼は持っていて、その古典主義的な解釈に基づく批評活動を展開した。
中でも有名なのが明治15年の竜池会における講演「美術真説」である。美術の本質を妙想(アイディア)にあると説き、それを絵画で表現するには十の条件が必要であるとした。すなわち形と内容の統一と調和こそ大切であり、それには線、色彩、濃淡がよく整っていなければならないと述べている。この観念美学的分析に続いて、具体的現状批判に移り、日本画と洋画の優劣を5項目に渡って論じた挙句に、日本画の方が優れていると結論づけた。

リンク

日本画のすすめ

埃まみれの書棚から152

狩野芳崖の後期の作品とフェノロサ

カルチャーラジオ 芸術とその魅力

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tag : 美術真説

フェノロサの真説 (1)

印象・日の出



東京の町中に初めて洋画の画塾が姿を現した頃、明治七年(1874)のパリでは、フランス印象派の若い画家たちが華々しくデヴューしていた。モネ、ドガ、ピサロ、セザンヌ、ルノワール、シスレーたちによる第一回印象派展が開かれたのはこの年の春である。
モネがル・アーヴルの港で描いた「印象・日の出」(1873)から印象派の名称が生まれたことはあまりにも有名である。8回の印象派展から20世紀の新しい美術に向かって広がっていく基本的な課題が掘り起こされた。
ジャポネズリー(日本趣味)とかジャポニスム(日本主義)と呼ばれる風潮もこの頃に生まれ、当時の日本とフランスの落差を慌ただしく埋めていくプロセスが”日本の近代絵画の歴史”だった。

フェノロサの登場へと続く。
 Wikipediaリンク先です。

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tag : モネ 印象・日の出 フェノロサ

画塾と工部美術学校

明治に入り鹿鳴館時代と呼ばれる欧化主義の時代が到来する。その中で洋画熱に取りつかれた青年たちを吸収する画塾が続々と現れた。明治二年に開設された川上冬崖の聴香読画館を皮切りに、高橋由一の天絵楼、国沢新九郎の彰技堂、五姓田芳柳塾、川村清雄塾などが次々に開かれる。時代の要請に対応するものであったが、絵具はもちろん、油、筆、カンヴァスなどがあるはずはなく、手製のものを苦労して使うという時代であった。
ところが、そういった状況の中で、明治九年に入って工部美術学校が開設されることになった。
その設置目的の内容は、それほど新奇なものではなく、日本の伝統的な技術に西欧の技術を継ぎ足して、ヨーロッパの美術学校に負けないようなものにしたいということを謳っている。「真写ノ風」という言葉を使って西欧レアリスムの道を進めたいと力説しているところが大切であろう。
この学校で教えることになったのはイタリアから招かれたフォンタネージ(絵画)とラグーザ(彫刻)、カペレッティ(建築)の三名である。
フォンタネージはイタリア画壇では高く評価されており、特にフランスのバルビゾン派に親近感を抱き、またコローの作風にも惹かれていた画家であった。彼は来日に際して、わざわざ多くの教材を用意してきた。
彼の授業は通訳を使ってフランス語で行われた。内容は遠近法、風景画法、賦彩法、木炭使用法、油絵下地製作法などの技術的なものから彼独自の画論にまで及んでいる。透明な絵の具を薄くおいてゆく描き方と暗い鳶色への好みは、その後の日本の洋画の一つの傾向となっていく。彼のもとで勉強したのは浅井忠、小山正太郎、松岡寿、高橋源吉、山本芳翠、五姓田義松、藤雅三、それに女性の山下りん、大鳥雛子などであった。
明治十六年一月には画学科も廃止され、ここに工部美術学校は終止符を打つ。

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川上冬崖の風景図

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フォンタネージの牧牛

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山本芳翠の西洋婦人像

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五姓田義松の操芝居

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tag : 画塾 工部美術学校

高橋由一の苦闘

チャールズ・ワーグマン

飴売り
飴売り
高橋由一の作品A
高橋由一の作品

西洋レアリスムに対する江戸時代人の強烈な憧れを実現したのが明治初期の高橋由一である。
高橋由一履歴」には、洋画一筋に生きた彼の波乱に富む生き方が手に取るように記されている。洋製石版画を借観せし時から、彼の洋画熱が始まる。のち、蕃書調べ所に入るが、「一ノ趣味アルコト」、つまり芸術的な味わいがあることなどは望むべくもなく、当時の横浜に、チャールズ・ワーグマンというイギリス人画家がいて、伝手を求めて、彼に面会した由一は、ワーグマンの油絵を見て「非凡ナル手際ニ胆ヲ消シ、帰ル道モ忘ル計リ感伏」する。
こうして、由一は江戸から横浜まで歩いて通い、ワーグマンの技術を習得した。

以下、関連リンクを挙げておくので、探求したい人の手助けにしてください。

チャールズ・ワーグマン(Wikipedia)

チャールズ・ワーグマンの『飴売り』

高橋由一とその作品

ワーグマンが見た海

日本近代絵画への道



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tag : 高橋由一 チャールズ・ワーグマン 西洋レアリスム

初期洋風画の司馬江漢

司馬江漢の月下柴門美人図

平賀源内は 自然科学者でもあったが、美術にも強い関心を持ち、初期洋風画の始祖になった。
源内の示唆によって佐竹曙山や小田野直武の秋田蘭画が生まれたの始め、司馬江漢亜欧堂田善などが西欧風の写実意識による絵画を開発している。
なかでも江漢は、モノの真実の姿を移す西欧レアリスムに対して烈しい驚きと憧れを彼の書物の中で率直に書き綴っている。
ところが実は、源内や江漢が見て感嘆したのは、自然科学書のイラストレーションとして掲載されていた銅版画だった。




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